刻まれた旋律 運命のライブ体験
27年前、私が高校生だった頃の話をしなければ、最後に観たライブパフォーマンスの全貌を語ることはできません。
そのライブは、私の人生において非常に重要な位置を占めるものであり、心を込めてその瞬間をお伝えしたいと思います。
当時の私の周りでは、GLAYやラルクアンシエルが青春のアンセムとして君臨していました。
しかし、私は姉の影響で異なるバンドに心を奪われていました。
そのバンドの音楽は、他の何ものにも代えがたい魅力があり、私の音楽観を根底から変えることになります。
ある日、何か新しいことを求めて学校を抜け出し、札幌ファクトリーを歩いていた私は、信じられない光景に遭遇しました。
そこには、偶然にもその日、私が熱狂するバンドがファクトリーホールでライブを行うという告知がありました。
まるで運命のようなタイミングで、私はそのライブに足を踏み入れることになるのです。
消えない響き 一生の影響を与えたライブ体験
インターネットが普及していない時代。その日のライブチケットを手に入れたのは、ライブ会場の近くで、ダフ屋が紙に殴り書きした「6,000円」という文字を見つけ、思わず声をかけて手に入れました。
不安と期待が入り混じる中、私はその扉を押し開けました。
ステージ上で、メンバー4人がピシッと決めたモッズスーツを着ているのが見えた瞬間、私の心は完全に奪われました。
その日のパフォーマンスは圧倒的なもので、ど迫力のサウンドとステージングに度肝を抜かれました。まだ若かった私には強烈すぎるほどの刺激で、その日を境に私の音楽への情熱が一層深まったのです。
ライブを観てからは、ファンクラブに入会し、可能な限りのライブに参加しました。
バンドのスタイルを真似し、紫のコンバースオールスター、色付きサングラス、タバコの咥え方まで、彼らのすべてを取り入れてみました。
彼らが2003年に解散してからも、その後のメンバーたちが始めた新しいバンドにも夢中になり、私の生活が許す限り、そのライブに参戦し続けました。
一つの時代の終わり 最後のライブと深い影響
私の青春を彩ったのは、あるボーカリストの存在でした。
彼の世界観、仕草、そして生き様は、私にとって何よりの指針となり、今の私の振る舞いや思想にも深く影響を与えています。
彼の存在は、ただの音楽アイコンを超え、私にとっての生き方の模範でした。
時が経ち、久しくライブに行けていない中、彼が病気になったというニュースを耳にし、その時は深くショックを受けました。
しかし、彼ならきっと立ち直って、またステージで輝く姿を見せてくれると信じていました。
だからこそ、彼の訃報を聞いた時の衝撃は計り知れないものがありました。
彼の歌声、ステージでの姿が、まるで映画のワンシーンのように私の頭の中を駆け巡りました。
2024年1月19日、私が最後に観たライブは、彼の「献花会」でした。
その日、私はガーベラの花を手に、彼の最後のステージを見守りました。
彼の生きざま、音楽への情熱、そしてそのすべてが、私の中で永遠に生き続けることでしょう。
この特別な人物、彼の名はチバユウスケ。
ありがとう、チバユウスケ。
あなたの音楽とともに、私はこれからも歩んでいきます。
あなたが築いた伝説は、これからも多くの人々に語り継がれることでしょう。
そしていつか、またどこかであなたの音楽と共に私たちは息をするのです。
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